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会長から 第48回

 夏の高校野球は早稲田実業が決勝戦再試合の末、駒大苫小牧の3連覇を阻み優勝しました。斉藤投手は、マウンドでハンカチを使って顔の汗をぬぐっていて、いつの間にか「ハンカチ王子」の愛称まで付いてしまいました。素顔もさわやかで本当に高校生らしい清純さを感じました。早くもプロ入りの声が聞こえていますが、自分の道を歩んでいってもらいたいものです。
 この夏私は、S43卒の同級生たちと恒例の夏旅行に四国に出かけました。今回のメンバーはN先生と横浜からO君と私とFさん、Yさん。それに昨年から仲間になったSさん、S君の7人で、自動車で行きました。明石海峡大橋を渡り、淡路島PAで休憩。淡路島を縦断し鳴門大橋からは、小さいながらも渦潮を見ることができました。四国に入り、昼食にさぬきうどんを食べるべく予定していた店に向かう途中に「セルフうどん」の看板があり、そこを通り過ぎてから「さぬきうどんはセルフの店が旨いで!」という声に、Uターンして道沿いのその店に入りました。セルフは初めてなんで……と言うと店の方が丁寧に教えてくれ、男性は大(2玉)、女性は小(1玉)のかけうどんを頼み、ちくわと掻揚げのてんぷらを乗せ頂きました。うどんはコシがあってダシもあっさりと期待通りのおいしさでした。讃岐山脈の車がやっと通れるくらいの県道を進み、吉野川流域の脇町でうだつの町並みを見ました。うだつとは「卯建」と書き、隣家との防火用の袖壁のことです。多額の費用をかけて造るため豪商は富の象徴として豪華なうだつをあげたのです。「うだつが上がらない」という言葉の語源となっています。
 吉野川をさかのぼるように進むと深い渓谷になってきます。そこが「大歩危、小歩危」といわれる交通の難所です。「大股で歩いても小股で歩いても危険」という意味から付けられた名称です。その大歩危峡で川下りを楽しみました。川面から見上げる渓谷は、迫力満点で、今にも岩が落ちてきそうなくらいです、またライオンの頭部そっくりの獅子岩などがあり、川の水もエメラルドグリーンに輝きとても美しかった。さらに山深く進み、祖谷(いや)のかずら橋に到着、本当にかずらで編んだつり橋で一歩踏み出すごとにギシギシと揺れ、下を見ると足元から15m下の川面が見え、手すりにつかまっていてもなかなか前に行けないくらいスリル満点でした。初日の宿「ホテルかずら橋」では、ケーブルカーに乗ってホテルの裏山の中腹にある天空露天風呂に入りました。祖谷山系の山並みを眺めながらの温泉は、肌がぬるっとする単純硫黄泉です。
 翌日は、折しも台風10号が近づいてきていて、朝から雨、進路が西にずれたため四国直撃は避けられたものの風が強く、高知の桂浜では、海岸に大きな波が打ち寄せられていました。強い風と時折降る雨の中、最後の清流といわれる四万十川をさかのぼり、途中いくつかの沈下橋(沈下橋とは、増水時に川に沈んでしまうように設計された欄干のない橋のことです)を見ながら松山・道後温泉にたどり着きました。翌朝、「千と千尋の神隠し」のモデルとなったとされる「道後温泉本館」の坊ちゃん風呂で朝風呂につかり朝食前のひと時を階上の座敷でくつろぎました。高速道路上で台風の名残の強い風を受けて車は右に左にとふらついていました。高松でもう一度さぬきうどんを食べ、最後に淡路島の「松帆の湯」で明石海峡大橋を眺めながらゆったりと湯につかり、旅の疲れを癒して帰路に着きました。3日間で1200kmを走破した「うどん」と「温泉」の楽しい旅でした。

平成18年9月1日 音楽部OB会 会長 中村巧